同じ着物でも査定額が違うのはなぜ?店の条件と出す側の準備

公開日: 2026-08-29 / 更新日: 2026-10-03#買取相場 #査定額の差 #着物買取 #査定 #買い叩き防止 / 査定額の決まり方

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同じ着物の査定額が店によって変わるのは、店ごとに売り先と受け付ける品、費用の条件が違うからです。出す側が状態や付属品をどう揃えて伝えたかでも、結果は動きます。店の違いは比べて確かめ、出し方の違いは準備で埋めます。

本サイトの運営者は古物商の許可を持っていますが、着物の買取・査定はしていません。以下は、買取会社の開示資料と各社の公式サイト(2026年10月3日に確認)をもとにしています。取り上げた福ちゃん・バイセル・コメ兵・リファスタは、いずれも本サイトの広告提携先です。

査定額は、その店の売り先から逆算される

買取店は、買い取った品を売って利益を出します。査定額は、次にいくらで売れるかの見込みから逆算した数字です。バイセルは、査定のときに「商品流通部署と連携して買取価格をご提示」すると案内しています。

売り先の例として、バイセルの運営会社BuySell Technologiesは、事業紹介のページで次のように書いています。

全国で買取した商品は、世界各地へお届けしています。個人向けには、自社ECや店舗、ライブコマースを運営、事業者向けには卸販売や古物オークションを通じて販売しています。

個人に直接売る販路を持つ店と、業者向けの市場に流すことが多い店では、同じ品に付けられる値段が変わり得ます。どの販路が強いかは店の外からは見えにくいので、複数の店に同じ情報を渡して、返ってきた金額と理由を比べるのが現実的です。

店ごとに「受け付ける品」が違う

販路の違いは、受け付ける品の違いにも表れます。バイセルとコメ兵の公式サイトで、扱いが分かれる品目を抜き出すと次のとおりです。

品目 バイセル コメ兵
ポリエステルなど化繊の着物 対象外 受け付ける
浴衣 対象外 受け付ける
カビや汚れなど状態の悪いもの 査定はする(価格は下がる場合あり) 買取NG

(バイセルの着物買取ページとコメ兵の買取基準、2026年10月3日確認)

1社で値が付かなかった品が、別の店では対象に入ることがあります。ある店の「買取不可」は、その店の販路に合わないという意味で、品物の価値がゼロという意味とは限りません。ウールや喪服のように両社とも受け付けない品を含めた一覧は「「着物は売れない」は本当?」に載せています。

提示額が同じでも、手元に残る金額は費用で変わる

宅配買取では、売らなかった品の返送料が店によって違います。2026年10月3日に公式サイトで確認した条件は次のとおりです。

買取店 宅配で売らなかった品の返送
福ちゃん 返送を希望すると着払い(利用者負担)
バイセル 返送を希望すると着払い(利用者負担)
コメ兵 「返却」を選ぶと送料は同社負担。買取対象外の品は返送料や処分費用がかかる場合あり
リファスタ 1点でも値段が付けば同社の元払いで返却。全品に値段が付かない場合は着払い

数社に順番に送って比べるなら、断った品の返送料がそのたびにかかることもあります。提示額から、この費用を引いて比べてください。

金額の出し方と、承諾後の扱いも違う

コメ兵の規約では、衣類は原則としてまとめての金額提示で、1点ごとの金額には答えられない場合があります。まとめて提示された品は、その単位で売るか返すかを選ぶことになり、一部だけ売ることはできません。1点ずつ金額が出る店と比べるときは、この違いを頭に入れておきます。

承諾した後の扱いにも注意が要ります。コメ兵もリファスタも、提示額を承諾した後は返却やキャンセルに応じないと規約に書いています。比べ終わる前に承諾しないようにしてください。出張買取の場合は、特定商取引法の訪問購入に当たり、法定の書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフができます(消費者庁 特定商取引法ガイド)。

出す側の準備で変わるところ

店の違いとは別に、同じ店に出しても、出し方で結果が変わる部分があります。買取店が公開している査定項目は状態・寸法・素材・証紙や落款が中心で、どれも出す側が事前に揃えたり伝えたりできます。5つの項目を手元で確かめる手順は「売れる着物かを手元で見分ける5つの確認点」にまとめました。以下の4点は、その中でも出し方で差が付きやすいところです。

傷みは先に伝え、隠さない

コメ兵は、着物の衿回り・裏地・袖口、帯の中布に汚れが付きやすいと案内しています。送る前にこの部分を開いて、染み・カビ・虫食い・日焼けの場所を書き出しておきます。

傷みを書かずに送っても、査定では現物を見るので分かります。写真や申込時の説明と現物が違えば、事前の見積もりと現物の査定額は離れます。最初から伝えておけば、その品を受け付ける店かどうかも送る前に確かめられます。

福ちゃんは、しつけ糸が付いた着物は未着用の証明になるので取らないよう案内しています。未着用の品は、しつけ糸を付けたまま出してください。

証紙・落款と寸法を、品物と一緒にしておく

コメ兵は産地紬などの証紙について「証紙の有無によって査定金額は大きく上下いたします」と書いています。証紙が別の引き出しにしまってあると、どの着物のものか分からなくなります。見つけたら、該当する着物のたとう紙に一緒に入れておきます。落款の探し方と、作家・織元の名前がどこまで評価されるかは「ブランド・作家の着物は高く売れる?」で扱っています。

身丈と裄も測って書き添えます。素材は分かる範囲で「正絹・ウール・化繊・不明」のどれかを書き、分からなければ「不明」で足ります。推測で「正絹」と書くと、現物と食い違ったときに説明がやり直しになります。

付属品とまとめて出すか、分けて出すか

福ちゃんは、帯や小物、専用の箱などを一緒に査定に出すと買取額が上がる可能性があると案内しています。訪問着と袋帯のように揃えて着られる組み合わせなら、一緒に見てもらえば、組み合わせとして評価できるかを店が判断できます。

ただ、上で書いたとおり、コメ兵のようにまとめて金額を出す店では、まとめた品の一部だけを売ることはできません。手元に残すか迷っている品は、まとめに混ぜずに分けておきます。

写真で見積もりを取るとき

写真やLINEで見積もりを受け付ける店に送るなら、全体が分かる写真と、衿・袖口・裾のアップ、証紙の写真を用意します。明るい場所で、色が実物と変わらないように撮ります。

写真で受け付けるかどうかは店によって違います。2026年10月3日の公式案内では、バイセルの宅配とリファスタはLINE査定を案内していますが、福ちゃんは「LINE査定・写真査定は対応しておりません」としています。写真での見積もりは目安で、金額は現物の査定で決まります。

比べるときの手順

店ごとの差を比べるには、どの店にも同じ情報を渡す必要があります。

写真で見積もりを受け付ける店には写真で、受け付けない店には出張か宅配で現物を見てもらいます。

査定の申込先

以下は本サイトが提携している買取サービスです(広告)。条件は2026年10月3日に公式サイトで確認しました。

まとめ

同じ着物の査定額が店ごとに違うのは、売り先、受け付ける品、返送料などの費用、金額の出し方が店ごとに違うからです。そこに、傷みを先に伝えたか、証紙を品物と一緒にしたか、付属品をどうまとめたかという出す側の差が重なります。中身の一覧を作り、複数の店に同じ情報で問い合わせて、費用と条件まで並べて比べてみてください。